6回転職は「飽き性」を活かす天職への道:ITとコミュニティで「できない」を「できる」に変える
私は恵澤舜元、デジネスラボ株式会社の代表取締役を務めています。
自己紹介で「ITのよろず屋」と申し上げましたが、多岐にわたる事業を展開しているのは、一見すると無計画に見えるかもしれません。
しかし、これには明確な理由があります。
今回は、私がなぜこれほど多様な事業を手がけるようになったのか、その背景にある「飽き性」という特性と、お客様との出会い、そして未来への展望をお話ししたいと思います。
「飽き性」だからこそITを選んだ6回転職の先
私のキャリアは、33歳で下された「大人の発達障害ADHDと高機能自閉症」という診断が大きな転機となりました。
特にADHDの「多動性障害」、「飽きっぽい性格」は、長年の転職理由でもありました。
何かを始めて仕組みが理解できると、もう次の新しいことに興味が移ってしまう。
この繰り返しが6回の転職につながっていたのです。
そんな私がIT業界を選んだのは、まさにこの飽きっぽい性格を活かせる場所だと直感したからです。
ITの世界は常に進化し、新しいサービスが次々と生まれてきます。飽きる間もなく、次々と新しい技術や情報に触れることができる。
これこそが自分にぴったりの環境だと感じました。
しかし、IT業界に入って発達障害の診断を受けた後、障害者就業センターで感じたのは、定型発達の社会に合わせることを求められる息苦しさでした。
私の発達障害の特性を120%引き出してくれる環境ではない。
それなら「自分で作ろう」と決意し、「本質が学べるパソコン教室」という形で起業したのが、私のビジネスの原点です。
お客様の「無理だ」が、私の「楽しい」になる
パソコン教室から始まった私の事業は、お客様からの様々なご依頼によって広がっていきました。
プリンターが動かない、ウイルスに感染したといったパソコンサポートから、会社のシステム開発、ホームページやブログの制作まで。
お客様の「困った」に一つ一つ応えていくうちに、いつの間にか「ITのよろず屋」と呼んでいただけるようになりました。
特に印象深いのは、母の紹介で兵庫県丹波市のログハウスの売却依頼を受けたことです。不動産ではない私が空き家を売るなんて「無理だ」と思われたかもしれません。
しかし、ECサイトなどを調べてみたら、売却できる可能性が見えてきました。
そして、実際に1年かけて物件を見に行き、奮闘した結果、見事に売却に成功したのです。
お客様からいただく依頼は、大抵「無理だ」「ダメだ」「できない」から始まります。
しかし、私にとってはそれが「楽しい」と感じる瞬間なのです。
飽き性な私にとって、困難な依頼はまるで「無理ゲー」のようなもの。
どうすればクリアできるのか、ITの知識を駆使して謎を解き明かす「ITオタク」の血が騒ぎます。
お風呂に入っている時も、食事中も、空を見上げている時も、頭の中では常に「どうやったらできるだろう?」と考えています。
この問題解決のプロセスこそが、私にとっての何よりの喜びなのです。
「ユーザーファースト」が生み出す奇跡の「口コミ自動化」
私が仕事をする上で最も大切にしているポリシーは「ユーザーファースト」です。
今、私が事業を続けられているのは、すべてお客様のおかげだと心から思っています。
だからこそ、どんなに難しい相談でも、一度引き受けたらなんとか解決したいと粘ります。
ログハウスの売却もそうでした。
お客様に喜んでいただくために、死に物狂いで取り組んだ結果、解決策を見つけ出すことができたのです。
この「ユーザーファースト」の精神が、私の事業に奇跡的な変化をもたらしました。
それが「口コミの自動化」です。
Web集客だけでは時間がかかると感じていた頃、Facebookのメッセンジャーに「ラジオのパーソナリティをやりませんか?」というメッセージが届きました。
最初は詐欺を疑うほど怪しいと感じましたが、話を聞くと条件は悪くない。
そこで、「笑っていいとも」方式をヒントに、ゲストと見学者を入れ替える公開収録型ラジオを企画しました。
ゲストと見学者を毎回入れ替え、見学に来てくれた人が次回以降にラジオに出られるという仕組みを作ったところ、これが大当たり。
「ラジオに出たい人がいるのですが、つないでいいですか?」という問い合わせが毎月無限に届くようになったのです。
これこそが、私の目指す「口コミの自動化」でした。
「ホンマルラジオ」は、ゲーム、アスベスト調査、ビルメンテナンスなど、あらゆるジャンルと組み合わせることができます。
アスベスト調査のような一般にはイメージしにくい分野でも、Vチューバーキャラクター「石綿里明日華ちゃん」やEスポーツの「フォートナイト」を活用し、防災ゲームとして体験できるイベントをマルシェなどで展開しています。
このように、お客様のニーズに合わせて柔軟に形を変え、ITを駆使して「できない」を「できる」に変えることで、人々の繋がりを自動的に生み出す仕組みを構築しているのです。
「自動経営」の先に描く「原作者」という夢
私の今後の目標は、この「口コミの自動化」をさらに発展させ、「自動経営」へと昇華させることです。
YouTubeのように芸能レベルの競争が激しいオープンな市場ではなく、ホンマルラジオのようなクローズドなコミュニティ市場をいかに抑えるかが鍵だと考えています。
「ホンマルラジオ」の公開収録ができるパーソナリティをまずは100人、将来的には1万人まで増やしたい。
そうすれば、私が自ら動かなくても、コミュニティのメンバーがそれぞれラジオを回し、多くの人々と繋がり、口コミが自動的に生まれていくでしょう。
これはまさに、持続可能な「自動経営」の実現です。
そして、その先に見据えているのは「原作者」になるという夢です。
私はアニメやゲームが好きで、Vチューバーキャラクター「石綿里明日華ちゃん」も制作しました。
これをアニメ化し、ゆくゆくは映画化したい。
ディズニー、ケンタッキー、マクドナルド。
世の中のあらゆる投資にはリスクが伴いますが、最も確実に儲けているのは「原作者」だと気づいたのです。
コミュニティビジネスは、流行やブームに左右される通常のビジネスと異なり、40年以上続くものもあるほどの持続性を持っています。
私の「自動経営」という構想は、コミュニティを核とすることで、私が生み出したコンテンツが私の死後も長く愛され続ける世界を創り出すことを目指しています。
デジタルとリアルの融合が生み出す「M-1グランプリ」ラジオ版
究極的には、メタバースとデジタルツインを連動させたイベントを実現したいと考えています。
リアルで花火が上がれば、メタバース空間でも花火が上がるような、デジタルとリアルがシームレスに繋がる世界です。
そして、「ホンマルラジオ」を使った全国大会の開催も夢見ています。
M-1グランプリのラジオ版のように、視聴者や見学者の投票で優勝者を決める、参加型のイベントです。
私の「飽き性」は、これまで私を多くの場所へ導き、様々な知識と経験を与えてくれました。
そして、そのすべてが、お客様の「困った」を解決し、「できない」を「できる」に変えるためのアイデアの源となっています。 これからも、ITとコミュニティの力を最大限に活用し、不可能を可能に変え続ける「ITのよろず屋」として、そして未来の「原作者」として、新たな挑戦を続けていきたいと思います。
【取材note記事はこちら】 https://note.com/yosukeyjp/n/nf9e00f7d1b14
【取材動画はこちら】

