私って、なんてヒドイ人間なんだ | 独立ストーリー

対談シリーズ 第7回
私って、なんてヒドイ人間なんだ
「ご利益」という言葉を聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
多くの人は、宝くじが当たることや、ビジネスが成功すること、あるいは素敵なパートナーに出会うことなど、自分の「願いが叶うこと」を想像するでしょう。しかし、東ひかりさんが熊野大社の教えとして学んだ真実の「ご利益」は、それとは正反対のものでした。
「本当のご利益とは、自分の本当の状態がわかることである」
それは、時に目を背けたくなるほど醜く、恐ろしい「真実の自分」と対面することでもありました。第7回となる今回は、コンミさんが自身の深淵を直視し、そこからどのように再生していったかの物語を綴ります。
いだきしん氏のコンサートや講座を重ねる中で、私の心という鏡は、少しずつ磨かれていきました。しかし、その鏡に映し出されたのは、キラキラとした希望に満ちた自分ではありませんでした。
「私って、なんてヒドイ人間なんだ……」
暗闇の中で、その言葉が何度も自分を突き刺しました。自分がこれまで「能力」だと思い込み、誇りにしてきたものが、実は人を自分の思い通りに動かすための「冷徹な技術」に過ぎなかったことに気づいてしまったのです。自分の内側にある氷のような冷たさに触れたとき、私は自分自身が怖くてたまらなくなりました。
コンミさんが直面した「ヒドイ自分」の正体を、ビジネスとコミュニケーションの観点から分析してみましょう。彼女が長年、広告やイベント業界で培ってきた「有能さ」の裏側には、以下のような論理的なコントロール技術が潜んでいました。
| 技術 | 手法 | 無意識の目的 |
|---|---|---|
| ユーモアの武器化 | 関西特有の笑いで相手の懐に入る | 心理的ガードを下げさせ、有利に立つ |
| アメとムチの使い分け | 相手を持ち上げ、時には冷たく突き放す | 依存心や恐怖心を煽り、思い通りに動かす |
| 情報の非対称性利用 | 言葉巧みに情報を操作し、合意を形成する | 自分のエゴを「正当な判断」として通す |
これらは、現代の競争社会においては「高いコミュニケーション能力」として評価されがちです。しかし、その根底にあるのは「相手への尊重」ではなく「エゴによる支配」でした。東ひかりさんは、この構造を客観的に理解してしまったからこそ、逃げ場のない自己否定に陥ったのです。
「人を操る自分を、もうこれ以上続けたくない」。そう強く願った私は、2005年末、長年続けてきたイベント制作の仕事から離れる決意をしました。それは、社会的なキャリアを捨てる「逃避」のようにも見えましたが、私にとっては高ぶりすぎたエゴをリセットするための「魂の外科手術」でした。
「もう、あまり人と関わらなくていい。静かな事務仕事をして、自分を静めていこう」。そう決めて派遣登録をした私を待っていたのは、またしても運命のいたずらでした。紹介されたのは、ある学会の事務局を「一人で仕切る」という、皮肉にもこれまでの経験が120%活かされる、実質的なイベント制作の仕事だったのです。
どれほど自分が「変えよう」と足掻いても、現実は以前と同じパターンを繰り返そうとします。これを心理学やシステム論的に見れば、「古いパターンの再生産」です。しかし、東ひかりさんはここで、エゴによるコントロールを完全に手放す(サレンダーする)という選択をしました。
「自分には、この仕事の縁が切っても切れないのだ」。そう諦め(受容)の境地に至ったとき、論理では説明できない「シンクロニシティ(意味のある偶然の一致)」が起こり始めます。
新しい仕事を始めたばかりの私には、どうしても行きたい場所がありました。ブルガリアで開催される、いだきしん氏のコンサートです。しかし、論理的に考えて、入社直後に海外旅行のために休暇を取るなど、社会人としてあり得ない選択でした。私は「今回は諦めるしかない」と自分に言い聞かせていました。
ところが、奇跡が起こります。上司である副院長から、突然こう告げられたのです。「北欧の学会に行くことになった。その期間は事務局も休みにするから、君も休んでいいよ」。
提示された期間は、ブルガリアのコンサート日程と、一日の狂いもなく一致していました。自分のエゴで現実を「コントロール」するのをやめた瞬間、宇宙が私の背中を力強く押し始めたのです。それは、「ヒドイ自分」を受け入れ、ありのままの状態で一歩を踏み出したことへの、最高のご褒美(ご利益)でした。
結論:自己嫌悪は、新しい自分への「招待状」
「私ってヒドイ人間だ」という絶望的な自己否定。それは、実はあなたが古い皮を脱ぎ捨て、本当の自分として生きるための産みの苦しみかもしれません。自分の醜さを直視できたということは、それを「客観視できる高い意識」を手に入れたという証拠でもあります。
コンミさんの物語が教えてくれるのは、エゴによる支配を手放したとき、人生には想像もつかないような美しい流れが流れ込んでくるということです。あなたが今日、鏡の中で見つけた「不都合な真実」は、あなたを本当の自由へと導くための「真のご利益」なのです。
絶望の先にある、本当の感性の目覚めを信じて。あなたの新しい物語は、ここから始まります。
この記事を書いた人
東ひかり (Hikari Azuma)
デジネスラボ放送局パーソナリティ。年商2億円の女性起業家。いだきしんコンサートとの出会いにより人生を好転させた経験から、本質的な豊かさを伝えている。
プロフィール詳細はこちら[1] 東ひかりOfficial Channel. (2023). #7 私って、なんてヒドイ人間なんだ. YouTube.
[2] デジネスラボ株式会社. (n.d.). 東ひかり. デジネスラボ放送局.


