戦車への脅威と対戦車火器の分類



ARMOR SYSTEMS
戦車への脅威と
対戦車火器の分類
戦車に対しては、①対戦車火器 ②地雷・IED ③航空攻撃 ④ドローン ⑤他の戦車まで 含めて、さまざまな「戦車の脅威」となるものがあります。その中でも極めて 脅威となるのが対戦車火器です。
① 対戦車火器
② 地雷・IED
③ 航空攻撃
④ ドローン
⑤ 他の戦車
対戦車火器の分類
01
対戦車ミサイル(ATGM)
- 誘導装置を使って目標を追尾するミサイル
- 長距離から装甲車両を攻撃できる
- 例:TOW、ジャベリンなど 有線誘導やプログラミング誘導など誘導システムが進化。以前は一旦高く 打ち上げた後に誘導する方式だったが、最近は発見されにくい弾道が採用されている。
02
対戦車ロケット
- 比較的簡単な構造で、歩兵が携行できるものが多い
- 例:RPGシリーズなど 化学エネルギーでのHEAT弾が多く使用され、無誘導の発射式と誘導式に区分。 一般に誘導式は遠距離で命中精度に優れるが、高価な兵器となる。
03
戦車砲
- 戦車の主たる交戦対象は敵の戦車の場合が多く、戦車自身が搭載する主要な対戦車兵器(120mm・125mm砲)
- 高初速の徹甲弾やHEAT弾などを使用する
04
対戦車砲
- 地上から戦車を攻撃するための火砲
- 現代では対戦車ミサイルなどに置き換えられたものが多い
05
戦車砲・対戦車ミサイル以外の航空兵器
- 攻撃ヘリコプターや航空機から発射される対戦車ミサイルなど
いずれにしても、長距離射程が有効な誘導方式や、近距離で安価で携行容易かつ 初速が速い無誘導弾などに区分されます。無誘導弾は発射後、迅速な陣地変換等で 機敏な運用に適します。それぞれの戦況に応じて運用されます。
近年の傾向 — トップアタック(Top Attack)
現在ではドローンのように戦車の装甲の薄い上面を狙えるように、戦車の上面方向から 攻撃し、比較的防御が薄い車体・砲塔上面を狙う対戦車攻撃が増えてきています。
分類一覧表
| 分類 | 代表例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 対戦車砲 | 対戦車砲 | 直接照準で装甲車両を攻撃。現在は主役の座を低下 |
| 携帯式対戦車兵器 | RPG系など | 歩兵が携行でき、近距離から装甲車両を脅かす |
| 対戦車誘導ミサイル(ATGM) | TOW、Spikeなど | 誘導によって遠距離から攻撃可能 |
| 戦車砲 | 120mm・125mm級など | 戦車同士の交戦で主要な脅威となる |
| 航空機搭載兵器 | 対戦車ミサイル、誘導爆弾など | 航空機から戦車を攻撃 |
| 攻撃ヘリ搭載兵器 | 対戦車ミサイルなど | 地上部隊と連携して装甲車両を攻撃 |
| 徘徊型兵器・無人機 | 対装甲用ドローン等 | 上空から戦車を狙う新しい脅威 |
対戦車火器を見るポイント
これらを比較すると、それぞれの特徴が分かりやすくなります。
現代の戦車にとっては、単純に「強力な砲弾」だけでなく、次の複数の要素を 組み合わせて脅威を評価することが重要です。
① 射程
→
② 命中精度
→
③ 弾頭の威力
→
④ 攻撃方向
→
⑤ 発見されにくさ
戦車防護の考え方の変化
近年は小型無人機・徘徊型兵器による上方からの攻撃が注目されており、 従来の「正面装甲が最も重要」という戦車防護の考え方にも変化が生じています。
この記事を書いた人
溝田 光一 (Personality)
デジネスラボ放送局パーソナリティ / 第一戦車群OB会長
「あたりまえの毎日を支える」をテーマに、道路や上下水道などのインフラ整備の重要性を発信。現場での豊富な経験を活かし、私たちの生活を足元から支える人々の想いや技術の裏側を、ラジオを通じて分かりやすく届けている。

