防災教育はゲームで変わる|子どもが自分から学ぶ「防災メタバース」とは

防災教育はゲームで変わる|子どもが自分から学ぶ「防災メタバース」とは
防災メタバース/防災教育

防災教育はゲームで変わる|子どもが自分から学ぶ「防災メタバース」とは

「訓練に参加したのに、いざという時の動きが分からない」を変えたい

学校や地域の防災訓練に参加したことがある方は多いと思います。避難経路を歩き、説明を聞き、消火器の使い方を見る。どれも大切なことですが、正直なところ「聞いた内容がどれくらい頭に残っているか」と聞かれると、自信がない方も少なくないのではないでしょうか。

とくに子どもたちにとって、防災の話は「大人が真剣な顔で話す、少し怖くて、少し退屈な時間」になりがちです。ところが実際の災害では、知識を覚えているかどうかよりも先に、「その場で自分で判断して動けるか」が問われます。

そこでデジネスラボ放送局が取り組んでいるのが、ゲームの中で災害を体験しながら学ぶ「防災メタバース」です。子どもたちが毎日のように遊んでいるフォートナイトやロブロックス(Roblox)の中に災害の場面を再現し、「逃げる判断」「生き残る判断」を遊びながら繰り返し練習する。防災を「聞くもの」から「体験するもの」へ変える取り組みです。

この記事では、防災メタバースとは何か、なぜゲームだと学びが残るのか、そしてデジネスラボが展開する3つの作品と、イベントやラジオと組み合わせた活用方法をご紹介します。

防災メタバースとは?

防災メタバースとは、メタバース(インターネット上の仮想空間)やゲームの中で、地震・津波・地形の崩落といった災害の場面を体験し、防災の知識と判断力を身につける仕組みのことです。

ポイントは「仮想空間だからこそできること」にあります。

  • 危険な場面を、安全な場所で体験できる:実際に津波や崩落を体験することはできませんが、ゲームの中なら何度でも体験できます
  • 失敗しても、やり直せる:判断を間違えたら、その場で「なぜ危なかったのか」を振り返って再挑戦できます。本番では許されない失敗を、練習の中で先に経験しておくことができます
  • 受け身ではなく、自分で動く:説明を聞くだけの学びと違い、プレイヤーは自分で状況を見て、考えて、行動します

つまり防災メタバースは、防災訓練の代わりではなく、ふだんの学びでは届きにくい「判断する練習」を補うための体験型の入口です。ゲームをきっかけに「うちの避難場所はどこだろう」「家族とどう連絡を取るだろう」と、家庭や教室で会話が生まれること自体にも大きな意味があります。

なぜゲームだと、防災が「自分ごと」になるのか

ゲームで学ぶことには、大きく3つの強みがあります。

1. 「自分で判断した」経験は、忘れにくい

人は、聞いた話より、自分で体験したことのほうが強く記憶に残ります。「津波が来たら高いところへ逃げる」という知識も、ゲームの中で迫りくる水から実際に逃げた経験があると、知識ではなく「身についた感覚」になります。

2. 繰り返し遊べるから、練習になる

防災訓練は年に数回ですが、ゲームは何度でも遊べます。繰り返すうちに「危ない場所の特徴」「安全なルートの見つけ方」が自然と目に入るようになります。楽しさがあるから続けられる、続けられるから練習になる、という好循環が生まれます。

3. 友達や家族と話し合える

「あの場面、どこに逃げた?」「自分はこっちのルートで行った」――ゲームの体験は、子ども同士、親子の会話のきっかけになります。防災は一人で完結するものではなく、家族や地域で共有してこそ意味があります。ゲームはその会話を始めるための、いちばん入りやすい入口です。

デジネスラボの防災メタバース 3作品

デジネスラボでは、異なる災害テーマを持つ3つの作品を、防災メタバースとして展開しています。いずれも現在はベータ版として公開・出店している作品です。

『津波から逃げろ!避難所に辿り着け』(ロブロックス)

迫りくる巨大な津波から、街を走り抜け、避難の看板をたどって、高台の避難所を目指して逃げる、避難行動を体験するアクションゲームです。初級・中級のステージがあり、ランキングボードで最速タイムを競うこともできます(上級ステージやマルチプレイも今後アップデート予定と案内されています)。

このゲームで学べるのは、「津波が来たら、とにかく高いところへ、できるだけ早く」という避難の大原則を、体で覚えることです。迷っている時間が命取りになること、安全な場所がどこにあるかを事前に知っておく大切さを、プレイの中で実感できます。看板を見つけるのが難しい場面もあるため、「避難経路の表示を普段から意識して見る」練習にもなります。

ご家庭や学校では、プレイのあとに「実際の私たちの街では、どこが高台で、どこが避難場所なのか」を、お住まいの自治体のハザードマップで一緒に確認してみてください。ゲームの体験が、そのまま現実の確認作業につながります。

▶ 今すぐ遊ぶ(ロブロックス)

『Terrain Shift Disaster Survival/地形変動災害サバイバル』(ロブロックス)

災害のたびに地形が変化する島を舞台に、次々と襲いかかる災害を生き延びるサバイバル体験シミュレーションです。ラウンドごとに地形や建物の配置が変わり、1つのラウンドの中で複数の災害が同時に発生することもあります。島にあるアイテムや乗り物を使いながら身を守る、判断力と素早い行動が試される作りです。

ゲームモードは3種類あります。制限時間内の生存を目指す「タイムモード」、最後の1人を決める「サドンデスモード」、そして制限時間内にNPC(助けを待つキャラクター)を救う「レスキューモード」です。とくにレスキューモードは、「自分の身を守る」だけでなく「誰かを助ける」視点まで体験できるのが特徴です。

災害の怖さは、「さっきまで安全だった場所が、次も安全とは限らない」ことにあります。この作品では足場そのものが変わり続けるため、「今いる場所は大丈夫か」「次はどこへ動くか」を考え続ける力が試されます。状況を見て判断し直す練習として、ほかの2作品とは違った学びが得られます。

▶ 今すぐ遊ぶ(ロブロックス)

『アスベストTYCOON』(フォートナイト)

建物の解体や改修の現場に潜むアスベスト(石綿)の問題を、体験型シミュレーションゲームとクイズを通じて学べる作品です。アスベストの歴史や、除去の手順といった、本来は専門的で触れる機会の少ないテーマを、ゲームの世界で分かりやすく体験できます。ステージをクリアするごとに街が発展していく仕組みもあり、遊び進める楽しさと一緒に学べる作りになっています。

アスベストは「災害が起きた後の建物の壊れ方」とも深く関わるテーマです。まずはゲームで「そういう問題があるのか」と知ることが第一歩になります。

なお、アスベストの事前調査や分析といった実務については、専門の解説を蓄積している株式会社都分析のサイトで詳しく紹介されています。ゲームで興味を持った方は、あわせてご覧ください。

▶ アイランドコード:2400-3874-1548(制作:meta-heroes)
▶ 遊び方:フォートナイトを起動し、ディスカバリーの検索からコード、または島の名前「アスベストタイクーン」で検索して選択するとプレイできます
▶ 公式ページ
※公式ページでは「13才以上対象」と案内されています。お子さまが遊ぶ際は、保護者の方も一緒に内容をご確認ください

3作品の紹介と出店情報は、こちらのページにもまとめています。

イベント×ラジオと組み合わせる「メタバースラジオ」の形

デジネスラボ放送局のもう一つの核が、メタバースラジオです。

eスポーツホンマルシェでは、防災メタバースのブース出店とあわせて、会場の様子をメタバース(Cluster)とYouTubeで生中継し、ホンマルラジオの番組としてアーカイブに残す取り組みを行っています。ゲームを体験して終わりではなく、「体験した人の声」「防災を仕事にする人の話」がラジオ番組として残り、あとから誰でも聴ける形になります。

たとえば、SDGs防災研修講師として活動するパーソナリティなど、防災を専門にする出演者の話と、ゲーム体験を同じイベントの中でつなげることができるのは、放送局が主催するイベントならではの強みです。出店者・出演者の一覧はパーソナリティページからご覧いただけます。

「遊ぶ」「聴く」「語る」が一つの場で循環することで、防災は一過性のイベントではなく、地域に残り続けるテーマになっていきます。

こんな方に、防災メタバースを届けたい

  • 子どもに防災を楽しく学ばせたい保護者の方:まずは一緒にプレイして、「どこに逃げる?」と話し合うところから始めてみてください
  • 防災教育の新しい形を探している学校・教育関係の方:体験型の入口として、従来の訓練や授業と組み合わせる使い方がおすすめです
  • 防災訓練のマンネリ化に悩む自治体・企業のご担当者:参加したくなる仕掛けとして、イベント出店や体験ブースの形で導入できます
  • ゲームやメタバースを社会課題の解決に活かしたい事業者の方:デジネスラボではロブロックスのゲーム開発も行っています。自社のテーマを体験型コンテンツにしたい場合のご相談も可能です

▶ Robloxゲーム開発のご案内

大切なこと:ゲームは「きっかけ」、備えは現実で

最後に、大切なことを一つだけお伝えします。

防災メタバースは、あくまで防災を学ぶための入口です。実際の災害では、ゲームの画面とは違うことばかりが起こります。だからこそ、ゲームで興味を持ったあとに、現実の備えを確認することが欠かせません。

現実の備えのステップ

  • 自宅や学校、職場の近くの避難場所・避難所を、ハザードマップで確認する
  • 家族と、災害時の連絡方法と集合場所を決めておく
  • 非常用の持ち出し品と、家の中の危険な場所を点検する

ゲームの中で何度も「判断する練習」をしておくことと、現実の備えをしておくこと。この2つがそろって、初めて「いざという時に動ける力」になります。


まとめ|防災を「怖い話」で終わらせないために

  • 防災メタバースは、ゲームの中で災害を体験し、判断力を身につける体験型の学びです
  • デジネスラボでは、津波避難を学ぶロブロックス作品、地形変動のサバイバル作品、アスベストを学ぶフォートナイト作品の3作品を展開しています
  • eスポーツホンマルシェでの出店と、メタバースラジオでの生中継・アーカイブにより、「遊ぶ・聴く・語る」をつないでいます
  • ゲームをきっかけに、ハザードマップの確認や家族での話し合いなど、現実の備えにつなげることがゴールです

防災は、怖い話で終わらせるテーマではありません。子どもたちが「やってみたい」と自分から手を伸ばす形で届けることができれば、防災はもっと身近なものになります。

出店・開催のご相談、学校や自治体・企業での活用のご相談は、eスポーツホンマルシェのページからお気軽にお問い合わせください。

▶ eスポーツホンマルシェ問い合わせ・案内

次回開催のお知らせ|2026年11月7日(土)東京・月島

防災メタバースとメタバースラジオを実際に体験できる場として、次回のeスポーツホンマルシェが開催されます。

2026 川越紗彩 e Sports Hon Marche - Special Edition

ホンマルラジオ公開収録 川越紗彩スペシャル対談

  • 日時:2026年11月7日(土)11:00開場(フェス形式で開催)
  • スペシャル公開収録:15:00〜16:00 特別ゲスト 川越紗彩さん(元NGT48)によるスペシャル対談&公開収録。東京のアーティスト12組の公開収録も行われます
  • 会場:月島もんじゃ どてっぱん 月島本店(東京都中央区月島3丁目9-9/月島駅から徒歩3分)
  • チケット:一般チケット 3,000円/特典付きチケット 6,000円(チェキ撮影・サイン等の特典付き)

会場では、防災をテーマにした番組『防災のその先へ』につながるトークも予定されています。「防災×エンターテインメント」の現場を、ぜひ会場で体感してください。

恵澤 舜元

AUTHOR PROFILE

恵澤 舜元(えざわ よしゆき)

デジネスラボ株式会社 代表取締役/デジネスラボ放送局 オーナー・プロデューサー。インターネットラジオ、ポッドキャスト、AIコンテンツ制作、メタバース(Roblox)企画・プロデュースなどを手掛け、体験型防災コンテンツの普及・開発を推進している。
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