「父に認められたい」― その切ない思いが、あなたを追い込んでいないか

「父に認められたい」― その切ない思いが、あなたを追い込んでいないか
FAMILY THERAPY COLUMN — 第2回

「父に認められたい」
― その切ない思いが、
あなたを追い込んでいないか

「自分はまだまだダメだ」

誰かにそう言われたわけでもないのに、どれだけ結果を出しても、 どれだけ頑張っても、どこかで常にそう感じてしまう。

そんな癖が、あなたにも、特に男性のあなたにないでしょうか。

実は、この「自分を責め続ける」という思考パターンの奥底には、 多くの場合、父親との関係が深く刻み込まれています。

01

あの「トランプ大統領」も、父に認められたかった

突然ですが、ドナルド・トランプ大統領の話をさせてください。

傍若無人で、誰の意見にも左右されない。そんなイメージの強い人物ですが、 その行動の根っこには、「父親に認められたい」という、驚くほど切実な思いが あったといわれています。

出典について

伝記や、めいであるメアリー・トランプ氏の著書によれば、トランプ大統領の 性格や行動の根幹には、父フレッド・トランプとの厳格な親子関係と、 不動産業界で大きな実績を残した父への強いコンプレックスがあった というのです。

世界で最も力のある地位に就いてもなお、
心の奥では「父に認められたい」という
少年のままの自分がいた。

そう思うと、あの強烈な言動が、少し違って見えてきませんか?

これはトランプ大統領だけの話ではありません。日本社会においても、 立派な父親に認めてもらいたくて、必死に頑張り続けている男性は、 想像以上にたくさんいます。

父親という「巨人」が亡くなった後でさえ、「父に負けてはいけない」と、 やみくもに走り続けている方も。

02

ある男性が抱えていた「自分への決めつけ」

私がセラピーの中でお会いした、ある男性のことをご紹介します。

その方は、職場では若い部下からも信頼される上司で、統率力と業務遂行能力に 優れ、抜きんでた速さで出世街道を歩んでいました。

周囲の評価は、誰が見ても十分すぎるほど高い。

それなのに、ご本人の中では、いつも「自分はまだダメだ」という声が 止まりませんでした。

周囲からの評価

十分すぎるほど高い

×
本人の内側の声

「自分はまだダメだ」

自分を認められない。 常に自分を責めている。 人より劣っていると思い込んでいる。

その「偏った」思考の癖は、やがて心身の不調として現れ、しばらくの間、 休職を余儀なくされることになりました。

03

深層心理に眠っていたもの

私がその方のお手伝いをする中で、無意識の底に沈んでいた感情と、 その原因に少しずつ光を当てていくと、そこに浮かび上がってきたのは、 父親への切ないほどの憧れと、愛情への深い渇望でした。

父親は、多方面において非常に優れた人物だったといいます。さらに、兄も 優秀で、父親はいつも兄をかわいがっているように見えた。

「自分は兄ほど、父に愛されていない」という感覚が、幼い心にずっと 突き刺さっていたのです。

ご本人は、それをまったく意識していませんでした。でも、深層心理の 奥深くに沈んでいたその感情が、彼を常軌を逸したような奮闘へと 駆り立てていたのです。

頭の中で、こんな「声」が繰り返されていました。

「父のように優秀でなければ、父に愛してもらえない」
「兄のように優秀でなければ、父に認めてもらえない」
04

「父に愛されたかった」を、初めて抱きしめた日

セラピーの中で、その方はようやくその感情に気づくことができました。

「父に愛されたかった。認められたかった」

この感情に、心の中で気づくことさえできなかった。

その思いをはじめて認めて、自分自身でそっと抱きしめることができたとき、
長年にわたって染みついていた「自分を責める癖」が、少しずつほどけはじめました。
05

「自分を追い込む癖」の、本当の出どころ

ここまで読んでいただいて、もしかしたら「自分にも、似たようなところが あるかもしれない」と感じた方がいらっしゃるのではないでしょうか。

理由もよくわからないまま、常に自分を追い込んでしまう。
頑張っても、頑張っても、満足できない。
他人には優しくできるのに、自分にだけは厳しい。

こうした思考の癖は、多くの場合、その人と親との関係から生まれています。

父親や母親、あるいは兄弟姉妹との間で経験した、小さな傷や、言葉に ならなかった感情が、長い年月をかけて「自分への評価」として 心の内側に定着してしまうのです。

06

親子関係の改善は、「自分との和解」でもある

私が取り組んでいる親子関係の改善とは、単に「親との関係をよくすること」 だけではありません。

その根っこにあるのは、自分自身との関係性を見直すことです。

幼いころに感じた悲しみや、言えなかった「認められたかった」という思い。 そういった感情に、大人になった今の自分が気づき、向き合い、 受け入れていく。

そのプロセスこそが、親子関係の改善の本質であり、
自分自身との「和解」なのです。

第2回目のブログも最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
お父さんやお母さん、ご兄弟との関係性を見つめ直すことは、穏やかに、 自分に自信をもって、幸せに生きていくための大切な第一歩です。

次回の配信・更新も楽しみにしていてくださいね。

「自分を責め続けてしまう」「どんなに頑張っても満足できない」。 そんな思いを抱えている方は、ぜひ一度、ご自身の親との関係を 振り返ってみてください。

一人で抱え込まず、まずは無料相談からお気軽にどうぞ。
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小宮紹江

この記事を書いた人

小宮 紹江 (Akie Komiya)

親子のかかわり改善ラボ 代表 / デジネスラボ放送局 パーソナリティ
政府系団体および東京大学にて約25年間、国際協力事業や留学生の支援業務に従事。結婚・子育てを経て親の介護に直面した際、子ども時代から続いていた「親の支配」が限界を迎え、心身のバランスを崩す。その暗闇の中で前世療法と出会い、魂の繋がりを知ることで人生が激変。 現在は、アダルトチルドレンの当事者としての過酷な経験をもとに、前世療法やNLPセラピーをオンラインで提供。「親のため」ではなく「自分のため」に生き、人生の主権を取り戻すサポートを全力で行っています。2026年7月に、前世療法の世界的権威であるB.ワイス博士のワークショップに参加 し、専門性に磨きをかけました。 趣味:緑の中を歩くこと、夕焼けを見ること、音楽鑑賞、旅行、ダンス、フラワーアレンジメント、水泳
愛読書:『エルマーとりゅう』シリーズ、『生きがいについて』(神谷美恵子)、『前世療法』(B.ワイス博士)

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