戦車の偽装について


戦車の偽装について
戦車が見つからないようにするには、隠蔽(見えなくする)、 掩蔽(完全に隠れる)方法があります。
戦車の偽装とは、敵に「見つからない」「狙われにくい」「誤認させる」ために 行うあらゆる工夫をすること。現代では、単に塗装するだけでなく、 可視光・赤外線・レーダーなど複数のセンサーに対して効果を発揮することが 求められています。
偽装の手法
塗装による偽装(最も基本的な偽装)
緑・茶・黒を組み合わせ、森林や草原に溶け込むようにする。
黄土色や薄茶色を主体とし、砂漠や乾燥地帯に適応します。
白色塗装や水溶性の白塗料を使い、雪原で目立たなくします。
これらの塗装をさまざまな地形に応じたパターンで塗装します。 今では発見されにくい塗料もあります。
偽装網(ネット)による輪郭のぼかし
偽装網を車体全体にかけることで形状をぼかします。直線的な形を流線型に ぼかすようにネットをかけます。
近年の偽装網は、赤外線やレーダー反射を抑える高性能な多層構造のものが 普及しています。
地形の利用
戦車は地形を利用して車体を掩蔽する方法をとります。構造物や遮蔽物を 利用して隠れる方法で、戦車の行動では常習されている事項です。
などを活用します。
熱(赤外線)対策
その他の対策
レーダー波を散乱させる外装や、電波を吸収・低減する偽装網などが 採用されています。
デコイ(模擬戦車)
敵の攻撃を欺いたり誘導したりする作戦です。ゴムや木製などの戦車模型が 使われます。原始的ですが、突進する戦車の勢いを一瞬でも止める効果があります。
煙幕
短時間で敵の視界を遮る重要な手段です。煙幕弾発射機や発煙弾、 またエンジン排気を利用した発煙装置がありますが、発煙も進化して 敵のレーダーを遮断したりするようになってきています。
近年はドローン、衛星、赤外線カメラ、高性能レーダーの発達により、 戦車の偽装はより高度になっています。そのため現在では、可視光、赤外線、 レーダー、熱、音響を総合的に低減したり、それを利用したり、各種手段を 複合的に活用して、戦車の生残性を高める技術が重要な要素となっています。
この記事を書いた人
溝田 光一 (Personality)
デジネスラボ放送局パーソナリティ / 第一戦車群OB会長
「あたりまえの毎日を支える」をテーマに、道路や上下水道などのインフラ整備の重要性を発信。現場での豊富な経験を活かし、私たちの生活を足元から支える人々の想いや技術の裏側を、ラジオを通じて分かりやすく届けている。


