親の「古い言葉」があなたの人生にブレーキをかけている


親の「古い言葉」が
あなたの人生に
ブレーキをかけている
この言葉を、私は父から直接聞かされました。
テレビに映る、直木賞を受賞したばかりの向田邦子さんを見ながら、 父が吐き捨てるように言った言葉です。
あのとき私は20代前半の大学生。これから社会に出ようとしていた時期でした。
おそらく呆然としていたのだと思います。今となっては、自分がどんな表情を
していたかも思い出せません。
ただ、40年以上が経った今も、その場面だけは鮮やかに覚えています。
言葉は、そのくらい深く、心に刻まれるのです。
「頑張れ」と言いながら「出るな」という矛盾
不思議なことに、父は日ごろ、私にこう言っていました。
娘である私に、学歴や社会的な地位を得てほしいと、はっぱをかけていたのです。
なのに、現実に社会で活躍する女性を見た瞬間、「女のくせに生意気だ」と言い放つ。
この矛盾した言動が、心理学的には「ダブルバインド(二重拘束)」 と呼ばれるものです。
正反対のメッセージを同時に送られると、子どもはどちらに従えばいいか わからなくなります。
自分の羽を思いきり広げて飛んでいってもいいのか。それとも、世の中が決めた 「枠」の中に収まっていた方が無難なのか。
私自身、自分がどう生きればいいのか、長い時間をかけて迷い続けてきました。 その迷いの背景には、父親から言われたこのダブルバインドの影響が、 間違いなくあったと感じます。
セラピーの現場でも、同じような状況に苦しんでいるクライアントさんと 数多く出会ってきました。
人生の大事な場面で立ち止まってしまう。
踏み出したいのに、どこかでブレーキがかかってしまう。
そういう方が、本当に多いのです。
50代になっても、父の「支配」は続いた
もう一つ、忘れられない場面があります。
私が50代半ばになったときのことです。
仕事・家事・育児に追われ続けてきた長い年月を経て、子どもも高校生になり、 「そろそろ自分のやりたいことをやってみよう」と、ようやく思えるように なっていました。
近所に社交ダンスのスタジオができたのをきっかけに、ずっと憧れていた ダンスを習い始めたのです。初めてのダンスシューズ。レッスン用の フレアースカート。心がウキウキしていました。
実家でそのことを話すと、父はほとんど無表情のまま、こう言いました。
ウキウキしていた気持ちが、すっと消えていきました。
父の言葉の背景にあったのは、「既婚女性はこうあるべき」という、 昭和の価値観です。女が自由に楽しむことは、妻として、嫁としての 「枠」からはみ出す行為だ、ということなのでしょう。
50代になった娘に向かって、社交ダンスが夫婦関係を壊す危険な習い事だとでも 言いたいのか——と、このときはさすがに呆れて、爆笑するしかありませんでした。
けれども笑いながらも、心のどこかで、またあの「ブレーキ」がかかる感覚を、 確かに感じていたのかもしれません。
親は、子どもよりも「前の時代」を生きてきた人
ここで、大切なことをお伝えします。
親は常に、子どもの時代よりも前の時代を生きてきた人です。
「女のくせに」という言葉も、「やめとけ」という言葉も、 父が生きてきた時代の価値観から出てきたものです。
昭和という時代が生み出した、男女の役割への「常識」が、 父の言葉の奥にありました。
もちろん、父自身もその時代の価値観に縛られ、窮屈な思い、悔しい思いを してきたはずです。それでも、子どもに対しては「これが正しい」と 堂々と言い張る。なぜなら、その価値観の中でしか生きてこられなかったからです。
親が正しいのではなく、親はただ「前の時代の人」であるということです。
あなたの人生にブレーキをかけているのは、誰の言葉か?
今、あなたがご自分の人生を振り返ったとき、こんなふうに感じることは ありませんか。
その「声」の出どころを、一度、丁寧にたどってみてください。
それはもしかしたら、ずっと昔に親から言われた言葉が、 あなたの内側に棲みついたものかもしれません。
私が取り組んでいるセラピーでは、そうした親から受け取った言葉や価値観が、 今のあなたにどんな影響を与えているかを一緒に見ていきます。 そして、もう必要のなくなった「古いブレーキ」を、少しずつ手放していく お手伝いをしています。
親の言葉は、親の時代のものです。あなたの人生の可能性に、 その言葉がブレーキをかけることは、私は絶対に避けてほしいと思います。
そんな後悔を、あなたにはしてほしくないのです。
第4回目のブログも最後まで読んでくださって、ありがとうございました。
あなたの人生にブレーキをかけている言葉を、一度じっくりと見直してみましょう。
次回の配信・更新も楽しみにしていてくださいね。
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この記事を書いた人
小宮 紹江 (Akie Komiya)
親子のかかわり改善ラボ 代表 / デジネスラボ放送局 パーソナリティ
政府系団体および東京大学にて約25年間、国際協力事業や留学生の支援業務に従事。結婚・子育てを経て親の介護に直面した際、子ども時代から続いていた「親の支配」が限界を迎え、心身のバランスを崩す。その暗闇の中で前世療法と出会い、魂の繋がりを知ることで人生が激変。
現在は、アダルトチルドレンの当事者としての過酷な経験をもとに、前世療法やNLPセラピーをオンラインで提供。「親のため」ではなく「自分のため」に生き、人生の主権を取り戻すサポートを全力で行っています。2026年7月には、前世療法の世界的権威であるB.ワイス博士のワークショップに参加予定。
趣味:緑の中を歩くこと、夕焼けを見ること、音楽鑑賞、旅行、ダンス、フラワーアレンジメント、水泳
愛読書:『エルマーとりゅう』シリーズ、『生きがいについて』(神谷美恵子)、『前世療法』(B.ワイス博士)

