戦車の射撃統制装置(FCS)とは


ARMOR SYSTEMS
戦車の射撃統制装置とは Fire Control System(FCS)
戦車の射撃精度を向上させるための射撃統制装置(Fire Control System:FCS)というものがあります。 目標を正確に素早く撃破するために、砲手や車長を支援する装置の総称で、 現代戦での命中率を左右する最も重要なシステムの一つです。
構成装置
01
測距装置
- 主にレーザー測距儀を使用し、目標までの距離を瞬時に測定します (使用される周波数帯などにより各種)
- 昔の戦車では光学式の測距機が使われていました
02
照準装置
- 昼間用光学照準器 — レンズの精度が重要
- 夜間用暗視装置 (アクティブ・パッシブなど区分)
- 熱線映像装置(サーマルイメージャー)
これらにより、昼夜・悪天候・偽装していても目標を発見できます。
03
弾道計算機
コンピューターが以下の情報を計算します。
目標までの距離
使用する砲弾の種類(徹甲弾か多目的弾)
戦車の速度(自車の速度)
目標の移動速度(斜めの移動速度も考慮)
横風(終末弾道地域の風が重要)
気温・気圧(弾薬の格納庫内)
砲身の摩耗(砲身命数による)
砲身のたわみ(砲身基準装置による補正)
04
砲安定装置
戦車が走行中でも砲身を目標へ向け続ける装置です。現代の主力戦車では2軸安定装置が 一般的で、移動しながら高い命中率で射撃できます。
05
センサー類
風向・風速計自車が移動していることも含む
気温センサー車体の温度差を考慮
車体姿勢センサー傾きにより射角が変化
砲身温度センサー温度での砲身膨張で初速が減少
砲口基準装置(MRS)太陽などでの膨張による歪みを検知
射撃統制装置は日々変化し、乗員が実施することを全て機械ができるようになって 無人化の戦車に近づいてきています。
この記事を書いた人
溝田 光一 (Personality)
デジネスラボ放送局パーソナリティ / 第一戦車群OB会長
「あたりまえの毎日を支える」をテーマに、道路や上下水道などのインフラ整備の重要性を発信。現場での豊富な経験を活かし、私たちの生活を足元から支える人々の想いや技術の裏側を、ラジオを通じて分かりやすく届けている。


