結婚して初めて迎えるお正月。それは、ただの年の始まりではなく、「家族としての新しいスタート」を感じる特別な時間でした。私たちは、日本人の夫とベトナム人の妻という国際結婚。文化も習慣も違う二人が、日本で一緒に迎える初めてのお正月は、期待と少しの不安が入り混じったものでした。
大晦日、テレビから流れる年越し番組を見ながら、妻は興味深そうに日本の年末の雰囲気を感じていました。ベトナムでは旧正月(テト)が最も大切な行事のため、日本のお正月は少し静かで落ち着いている印象だったようです。
「日本のお正月は、とても穏やかなんですね」
年が明ける瞬間、私は「明けましておめでとう」と伝えました。すると妻も少し照れながら「おめでとうございます」と日本語で返してくれました。その一言に、言葉以上の温かさを感じました。
元旦は一緒に初詣へ。神社の厳かな空気に触れながら、妻は少し緊張した様子でしたが、周りの人たちの様子を見ながらお辞儀をしたり、お参りをしたりと、一つひとつ丁寧に体験していました。
「こうやって一年のお願いをするんですね」
文化を受け入れようとする気持ちが、その姿からはっきりと伝わってきました。
家に戻ってからは、おせち料理に挑戦。しかし、見た目の美しさとは裏腹に、味には少し驚いた様子でした。
「甘いおかずが多いですね」
美しい彩りと縁起物の意味を持つ、甘めの正月料理
香草の香りが広がる、妻が作ってくれた故郷の味
その代わりに、妻はベトナムの家庭料理を作ってくれました。香草の香りが広がる食卓は、一気に異国の雰囲気に包まれ、日本とベトナムが一つになる瞬間でした。
それが国際結婚の魅力。
言葉も文化も違う二人ですが、一緒に過ごす時間の中で、少しずつ「私たちらしい形」ができていきます。完璧に理解し合うことよりも、違いを楽しみ、受け入れること。それが国際結婚の魅力なのだと改めて感じました。
初めてのお正月は、特別なことをしたわけではありません。しかし、「一緒にいる」という当たり前の時間が、これまで以上に大切に思えた瞬間でした。
これから先も、きっと文化の違いに戸惑うことはあるでしょう。それでも、このお正月に感じた温かさを忘れずに、二人で歩んでいきたいと思います。
静かに、そして確かに生まれていました。




